業界別でみる外国人雇用&在留資格【建設業編】

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【建設業】における外国人雇用&在留資格について

 

はじめに

2020TOKYO大会に向けて建設ラッシュが続く日本において、多くの建設現場で外国人労働者が働く姿を目にします。建設業界は現場作業員の高齢化と合わせて人手不足が深刻な産業の代表格とも言えます。ちなみに建設分野で活躍する外国人の数は、2011年(1.3万人)から2018年(6.9万人)で5倍以上に増加しています。建設業で外国人スタッフを雇用するパターンを以下で説明します。

建設業の人手不足状況

建設分野においては、高齢の熟練技能者の大量引退が始まりつつあります。現在の年齢構成等を踏まえれば、平成 30 年度には建設技能者約 329 万人、令和5 年度には約 326 万人となると見込まれている一方で、建設業従事者の長時間労働を、製造業を下回る水準まで減少させるなどの働き方改革の進展を踏まえ、必要となる労働力を平成 30 年度は約 331 万人、令和5 年度には約 347 万人と見込んでいる。このため、建設技能者の人手不足数は、平成 30 年度時点で約2万人、令和5 年度時点で約 21 万人と推計している。また、平成 29 年度の建設分野の有効求人倍率は 4.13 倍となっていることを踏まえても、建設分野における人手不足は深刻な状況であるといえる。

外食産業における外国人雇用パターン

パターン①永住者や日本人の配偶者等、就労制限のない外国人を雇用する。

永住者や日本人の配偶者等のビザで日本に滞在している方であれば、就労に関する制限がありませんので、日本人現場作業員を雇用するのと同様に働いてもらうことができます。

パターン②『技術・人文知識・国際業務』や『技能』など就労ビザを検討する。

建設業に携わる労働者の中でも、設計職等エンジニア系の職種であれば、『技術・人文知識・国際業務』の技術での可能性がありますし、営業職や経理担当などであれば、『技術・人文知識・国際業務』の人文知識での許可可能性が出てきます。『技能』ビザで外国人建設技術者を雇用する手もあるのですが、こちらは「日本人で代替えできない産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を有する外国人」に限られていますので、外国特有の建設様式を日本で建設する際の現場監督といったイメージです。どちらのビザも中小建設業者が求めるものとは違うかもしれませんね。

パターン③技能実習制度を利用する。

建設業における外国人材で最も多く利用されているのが、「技能実習」です。その数、2018年で45,990人。技能実習制度の目的は、日本における技術の習得と母国への技術移転ですから、労働者ではなくあくまで実習生という立場です。「技能実習」を利用するためには監理団体などへ監理料の支払いも必要ですので、コストはかかりますが、喫緊の人手不足解消という意味で多くの建設事業者さんが利用しています。

パターン④外国人建設就労者受入事業『特定活動』を利用する。

2015年から、2020TOKYO大会の関連施設整備等による一時的な建設需要の増大に対応するため、技能実習修了者を対象とした「外国人建設就労者受入事業」があります。利用状況としては、2015年401人、2016年1,480人、2017年2,983人、2018年4,796人といったところです。期間限定の制度ですので、今からだと利用価値は薄そうですね。

パターン⑤新しい在留資格『特定技能』でフルタイム雇用する。

いままで、外国人が建設業の現場で働くための就労ビザは存在しませんでした。しかし、昨今の人手不足にかんがみ、平成31年4月1日より新たな在留資格『特定技能』が創設されました。建設業も14ある特定産業のひとつです。この新たなビザが誕生したことにより、いままでいわゆる単純労働とみなされてきた建設業の現場でも外国人が働けるようになりました。ただし、特定技能外国人を雇用するには、受け入れ先となる所属機関が行わなければならないこと及び登録支援機関との契約などいくつかのハードルをクリアする必要があります。詳細は特定技能のページでご確認ください。

パターン⑥留学生や家族滞在の方を資格外活動の範囲内でアルバイト雇用する。

本来、日本での就労が許されていない留学生が資格外活動許可を得ることで、その許可された範囲内(週28時間以内)での雇用が認められます。雇用主としては、外国人アルバイトスタッフの労働時間管理・シフト管理をしっかり行ってあげないと不法就労助長罪に問われかねませんので、注意が必要です。

 

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